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新たな境地・・・・。

以前から何とかならんのかと思っていたことなのですが、現在仕上げ中のアルフェッタが正にその「何とかならんのか?」のケースなのです。
 
それはシートの状態の事。
 

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一見、生地自体に硬化や目立った破れもなく、数十年前の物とは思えないほどの上質感を今なお保たれていますが、さすがに運転席側のステッチ抜けが結構あるんです。
 

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助手席座面にもステッチ抜けあり。
 
ジュリア系でしたらクーペでもベルリーナでも製品として新品シート表皮が手に入るのですが、このフェッタ用は今では新品の製品は皆無。()
なので、何時ものように「張替」が安易にできない!(特注で製作は出来ますが値段が・・・)
ならば・・・・・・・・
「こんなにシート自体の状態がいいのに、そこだけが残念」なので、ドラえもん風に言いますと・・・・・・・・・・シート表皮の~再ステッチ加工~っ!!
 
まずはステッチ抜け箇所が少なかった助手席から。
この作業、もちろん何時ものシート張替と同じ工程・・・・

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シート表皮を剥がし、そして・・・・・・
 

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お裁縫、ハンドステッチです!
ミシンでステッチを入れてしまえば、大した工程ではないのですが、問題は元々のミシン穴から穴の間にステッチが入ってしまった場合、表皮自体が切れてしまう可能性大なので、黙々と元に穴に針と糸を通してステッチを入れ直すことしばし・・・・・・
 

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ビシッと入りました~!
 
そして表皮を被せて背もたれ、座面を組みあげて・・・・・
 

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助手席一脚完成。
 
同様にして運転席側座面、ひたすら黙々と・・・・・
 

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座面が完成!!
ふぅ~。
ステッチが抜けた面が真っ平になっていたのですが、オリジナルのカマボコ状のボコボコが再現されたことによりボリューム感が出ました!
・・・・・・・・・とそこで、当時と同じ太さの糸、8?(アンティークチェアを修理している方から譲ってもらいました)が無くなってしまい作業中断。
 
その間、せっかくここまで再生したのですから、もう一手間・・・・・・・
オリジナルのステッチが色抜けしたところを染色!
まず布地を染める顔料を筆差しで大雑把に・・・・・

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さっと拭き上げた後、ソフトなブラシに魔法のケミカルをつけて軽~くなでなですると表皮自体に付いた顔料だけが落ちて・・・・・

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白くなっていたオリジナルのステッチが黒々と蘇りました!
 
現在お取り寄せ中の糸が入荷し次第、作業を再開しますが、最後に残ったところが・・・・・・・

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運転席側の背もたれ部、ステッチ抜けが一番多かったところ・・・・・。()
 
今回の作業実績でいままで「どうにかならんのか」が「どうにかなった」わけで、新たな境地()を切り開いたことで、当店自前でできる仕上げメニューのバリエーションが増えました!!
・・・・・・・・・・・・・作業は結構骨ですが。()
 
 
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